脂肪腫(しぼうしゅ)について
概要
脂肪腫(しぼうしゅ)は、皮膚の下にできる良性(体に害のない)のできものの一つです。名前のとおり、脂肪の細胞が増えてかたまりになったもので、触るとやわらかく、ゆっくりと大きくなるのが特徴です。
多くの場合、健康に直接の悪影響を及ぼすことはありません。そのため、「しこりがあるけれど特に困っていない」という理由で、長年そのままにしている方も少なくありません。ただし、大きくなりすぎたり、急に変化が出たりした場合には、医療機関での確認が大切です。
症状について
脂肪腫の主な症状は、皮膚の下にできるやわらかいしこりです。次のような特徴があります。
- 触るとぷにぷにした感触
- かゆみはほとんどない
- 数か月〜数年かけて、ゆっくり大きくなる
できやすい場所は、
- 首
- 肩
- 背中
- 腕
- 太もも
などで、皮下脂肪の多い部位によく見られます。通常は1つだけできますが、体質によっては複数できることもあります。
原因について
脂肪腫ができるはっきりとした原因は、まだ完全にはわかっていません。現在考えられている要因には、以下のようなものがあります。
- 体質(遺伝的な要因)
家族に脂肪腫ができやすい方がいる場合、同じようにできることがあります。 - 加齢
中年以降に見つかることが多いですが、若い方にできることもあります。 - 皮膚や皮下組織への刺激
外傷(ぶつけた、圧迫されたなど)がきっかけになる可能性も指摘されています。
ただし、生活習慣や不潔さが原因ではありません。太っている人だけにできる病気でもありません。
また、非常にまれですが、脂肪腫とよく似た見た目をした脂肪肉腫(しぼうにくしゅ)という悪性腫瘍(がん)が存在します。
- 急に大きくなる
- 固くて動かない
- 痛みを伴う
といった場合には、詳しい検査が必要です。
治療法
脂肪腫の治療は、症状や大きさ、患者さんの希望によって決まります。
経過観察
- 小さく、症状がない
- 日常生活に支障がない
このような場合は、定期的に様子を見るだけで治療を行わないことも多くあります。
手術(摘出)
(当院では行っておりません。専門機関に紹介させていただきます。)
脂肪腫を確実に治す方法は、手術で取り除くことです。
- 脂肪腫の大きさや深さにもよりますが局所麻酔で行うことが多い
- 日帰り手術が可能な場合がほとんど
- 摘出後の再発はまれ
次のような場合には、手術が検討されます。
- 見た目が気になる
- 服にこすれて痛む
- 急に大きくなってきた
- 悪性との区別が必要な場合
最後に
脂肪腫は、ほとんどが良性の病気で、命に関わることはありません。しかし、「ただのしこり」と思って放置していると、不安が大きくなったり、まれに別の病気が隠れていることもあります。
「しこりがある」「大きくなってきた」「本当に脂肪腫か不安」という場合は、早めに医療機関へご相談ください。当院では、状態に応じた丁寧な診察と説明を行い、必要に応じて治療をご提案しています。
