いぼ(疣贅)
概要
「いぼ」とは、皮膚や粘膜にできる小さなできもののことです。医学的には疣贅(ゆうぜい)と呼ばれ、多くはヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスが皮膚に感染することで生じます。いぼは子どもから大人まで幅広い年代にみられますが、特に小児や免疫力が下がっている方にできやすい傾向があります。
アトピー性皮膚炎のある人は皮膚のバリア機能が弱いため、ウイルスや外部刺激に感染しやすく、ときにいぼができやすいことがあります。
ただし、アトピーといぼは直接の関連はなく、誰でも感染の機会があればいぼはできる可能性があるものです。
症状について
いぼは見た目や触ったときの感触によって特徴があります。
- 皮膚から盛り上がる小さなできもの
- 表面はザラザラ・ゴツゴツしている
- 色は肌色から茶色、灰色までさまざま
- 大きさは数ミリから1センチ程度
- 単発でできることもあれば、複数に広がることもある
- 足の裏にできると「魚の目(うおのめ)」や「胼胝(たこ)」と間違えやすいが、いぼは皮膚のしわに沿わず、赤い点が見えることがある
自覚症状は少ないことも多いですが、場所によっては痛み・違和感・歩きにくさなどの原因になります。
原因について
いぼの主な原因はヒトパピローマウイルス(HPV)の感染です。
- 傷やささくれ、乾燥など皮膚の小さな隙間からウイルスが侵入する
- プールや銭湯、学校の体育館などで感染することがある(共有のマットやタオルからうつることも)
- 免疫力が下がっている人は、感染しやすく治りにくい
ウイルスの型によってできるいぼの種類や場所が異なります。
病気の種類について
いぼにはいくつかの種類があります。
- 尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)
最も一般的。手足や指に多く、ザラザラとした盛り上がりを示す。子どもに多い。 - 扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)
平らで小さな盛り上がり。顔や手の甲に多く、思春期の子どもにみられる。 - 足底疣贅(そくていゆうぜい)
足の裏にできるいぼ。歩くと痛みがあり、魚の目と区別が必要。
治療法
いぼは自然に治ることもありますが、治るまでに数か月〜数年かかる場合もあります。広がることや痛みのため、医療機関で治療を行うことが多いです。
液体窒素療法(凍結療法)
最も一般的な治療。-196℃の液体窒素を綿棒やスプレーで患部に当てて、治療します。
- 通常2〜3週間ごとに繰り返す必要がある
- 多少の痛みや水ぶくれ、かさぶたが出ることがある
外用薬
- サリチル酸製剤:角質を柔らかくして削りやすくする
内服薬
- ヨクイニン
外科的治療
- 電気メスで切除する方法もあるが、再発のリスクがある
日常生活での注意点
- いぼは人にうつる可能性があるため、かいたり触ったりしない
- 爪を短くして掻き壊しを防ぐ
- タオルやスリッパの共用を避ける
- プールや銭湯では自分のスリッパを使用し、終了後はしっかり洗う
- 治療は回数がかかるため、根気よく通院することが大切
まとめ
「いぼ」は多くの場合ヒトパピローマウイルスが原因で、手足や顔、足の裏などにできる皮膚の良性の病変です。見た目の問題だけでなく、痛みや日常生活の支障になることがあります。
- 子どもから大人まで誰でもかかる可能性がある
- 種類によって見た目が異なる
- 液体窒素療法を中心に治療を行うが、複数回通院が必要
当院では、患者さんの年齢や症状に合わせて最適な治療法を提案し、生活の中での予防法についてもアドバイスしています。自然に治るのを待つより、早めにご相談いただくことで広がりや再発を防ぐことができます。
